プサマテー

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プサマテー古希: Ψαμάθη, Psamathē)は、ギリシア神話の女神、あるいは女性である。長母音を省略してプサマテとも表記される。

  • ネーレーイデスの1人
  • クロトーポスの娘

の2人がいる。以下に説明する。

ネレイデスの1人

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このプサマテーは、ネーレウスとドーリスの娘たち(ネーレーイデス)の1人で、アイアコスとの間にポーコスを生んだ。しかしアイアコスとの交わりを嫌い、アザラシに変じて海に身を投じた。その後エジプト王プローテウスとの間にテオクリュメノス、テオノエー(エイドオー)を生んだ。

プサマテーは息子のポーコスがペーレウスとテラモーンに殺されたため、後にペーレウスがトラーキア王ケーユクスのところに亡命していたとき、プサマテーは巨大な狼を送ってペーレウスの家畜を襲わせた。知らせを聞いたペーレウスはプサマテーが息子の死を忘れていないのだと考え、プサマテーに許しを乞ったが、プサマテーは許さず、テティスがペーレウスのために許しを乞ってようやく許した。しかし狼は家畜の殺戮をやめなかったため、プサマテーは狼を大理石に変えたという。

別の話では狼が現れたのはペーレウスがイーロスの息子エウリュティオーンを殺した後のことで、プサマテーとの関連は語られていない。

海王星の第10衛星プサマテはプサマテーにちなんで名付けられた。

クロトーポスの娘

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このプサマテーは、アルゴス王、クロトーポスの娘で、アポローンの子リノスの母。プサマテーはリノスが生まれると、父を恐れて赤子を捨て、リノスはクロトーポスの家畜の番犬によって喰い殺された。アポローンは怒って怪物ポイネー(英語版)をアルゴスに送った。ポイネーはアルゴスの子供たちをさらったが、コロイボス(英語版)によって退治された。

脚注

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  1. ^ ヘーシオドス『神統記』260行。
  2. ^ アポロドーロス、1巻2・7。
  3. ^ ヘーシオドス『神統記』1005行。
  4. ^ a b アポロドーロス、3巻12・6。
  5. ^ a b アントーニーヌス・リーベラーリス、38話。
  6. ^ エウリーピデース『ヘレネー』。
  7. ^ オウィディウス『変身物語』11巻。
  8. ^ パウサニアス、1巻43・7。

参考文献

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  • アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
  • アントーニーヌス・リーベラーリス『メタモルフォーシス ギリシア変身物語集』安村典子訳、講談社文芸文庫(2006年)
  • オウィディウス『変身物語(下)』中村善也訳、岩波文庫(1984年)
  • パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
  • ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
  • 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)

関連項目

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  • プサマテ (衛星)

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