ノロッコ号

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ノロッコ号(ノロッコごう)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が運行するトロッコ列車の総称。

概要

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オープン構造の客車をディーゼル機関車が牽引、推進するトロッコ列車で、自然風景が美しい釧路湿原やオホーツク海沿い、富良野ラベンダー園といった地域で運行されている。

名称はゆっくり進む様の「鈍い(ノロい)」から転じたオノマトペ「ノロノロ」と「トロッコ」に由来する。

観光列車として運行開始以来好評を博してきた一方、車両の老朽化による引退が迫っており、2016年(平成28年)2月末に運行を終了した流氷ノロッコ号を始め、2026年(令和8年)にはくしろ湿原ノロッコ号と富良野・美瑛ノロッコ号も運行終了となる。

列車一覧

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運行中の列車

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  • くしろ湿原ノロッコ号(釧路駅 - 塘路駅)
    • 夏から秋にかけて釧網線で運転される。1日1往復または2往復。車両は緑色の第1編成を使用。
  • 夕陽ノロッコ号(釧路駅 - 塘路駅)
    • 夏から秋にかけて釧網線で運転される。1日1往復が夕方に設定され、釧路湿原に沈む夕陽を眺望できる。車両は緑色の第1編成を使用し、「くしろ湿原ノロッコ号」と同区間を運行する。
  • 富良野・美瑛ノロッコ号(旭川駅 - 富良野駅)
    • 7月から9月にかけて富良野線で運転される。1日3往復。車両は茶色の第2編成を使用。

運行終了した列車

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  • 原生花園ノロッコ号(網走駅 - 斜里駅
    • 「オホーツク流氷ノロッコ号」と同じ車両が使用され、1991年 - 1994年の6月に運転された。
  • 涼風たそがれノロッコ号(釧路駅 - 塘路駅)
    • 「くしろ湿原ノロッコ号」と同区間を、 1997年夏季に運転された。
  • ふらの・びえい雪原ノロッコ号(旭川駅 - 富良野駅)
    • 1999年 - 2002年の冬季に運転された。DE15にラッセルヘッドを装着した特異な形態での運行であった。
  • くしろ湿原紅葉ノロッコ号(釧路駅 - 川湯温泉駅)
    • 1999年 - 2005年の秋季に運転された。2006年以降は「くしろ湿原ノロッコ号」に統合され、同列車の延長運転という形になっている。
  • 秋の南富良野ノロッコ号(旭川駅 - 新得駅)
    • 2010年 - 2012年の秋季に運転された。当列車の運転日には「富良野・美瑛ノロッコ号」は運休とされ、事実上の延長運転であった。
  • 流氷ノロッコ号(網走駅 - 知床斜里駅
    • 1990年以降、冬の流氷観光期に運転されていた。車両の老朽化を理由に2015年-2016年シーズンの運行をもって廃止された。
    • 2003年ごろまでは「オホーツク流氷ノロッコ号」という列車名で運転された。
  • 増毛ノロッコ号(旭川駅 - 増毛駅)
    • 2001年以降、4月から5月にかけて、ナハ29000形客車を2両連結した第2編成で運転されていた。運行区間の一部である留萌線の留萌駅以西が2016年に廃止され、当列車もそれ以降運転されていない。
    • 2006年までは「増毛GWノロッコ号」という列車名で運転された。
  • 天塩川紅葉ノロッコ号(名寄駅 - 天塩中川駅)
    • 1998年 - 2001年の秋季に運転された。中川町のポンピラアクアリズイング(温泉)の入浴料割引と食事ソフトドリンク1本サービスを特典とした旅行企画もあった。
    • 1998年は「天塩川ノロッコ号」の列車名だった。
  • 塩狩峠さくらノロッコ号(旭川駅 - 塩狩駅 - 名寄駅)
    • 2000年 - 2005年の春季に運転された。
    • 2006年以降は団体臨時列車として運転したが、2014年を最後に運転されていない。

使用車両

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2021年現在、いずれの列車でもディーゼル機関車と510系客車を併結した編成が使用されている。510系のオクハテ510形には運転台が設置されており、機関車が先頭にならない行路でも遠隔操作で運転が可能になっている。

第1編成

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「くしろ湿原ノロッコ号」で使用される緑色編成
  • オハ510-1 + オハテフ510-1 + オハテフ500-51 + オクハテ510-1

4両編成で、オハ510は自由席の窓付き車両、それ以外は指定席のオープン車両となっている。かつては5両編成だったが、後述のナハ29000形廃車に伴う第2編成増強のために1両減らされた。

牽引機関車はDE10形ディーゼル機関車で、専用塗装の1660号機または1661号機が使用される。DE15形の2527号機が用いられた時期もあった。

第2編成

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「富良野・美瑛ノロッコ号」で使用される茶色編成
  • オハテフ510-51 + オハテフ510-2 + オクハテ510-2

3両編成で全車オープン構造。オハテフ510-51は自由席、それ以外は指定席となっている。

牽引機関車はDE15形ディーゼル機関車で、専用塗装の1533号機・1534号機・1535号機が使用される。

過去の車両

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初代ノロッコ号編成(1997年7月)
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ナハ29000形を連結した富良野・美瑛ノロッコ号(2006年7月)
  • スハフ42形 - カーペット敷に改造されていた。1998年まで使用。
  • オハフ51形 - こちらもカーペット敷に改造されていた。1998年まで使用。
  • トラ70000形 - 無蓋車に簡易な屋根を取り付けたオープン車両。「オホーツク流氷ノロッコ号」や「原生花園ノロッコ号」などで1998年まで使用。
  • ヨ3500形 - 車掌車を利用した展望車。1998年まで使用。デッキにある乗降タラップは板で封鎖され、渡板と貫通幌を有しており、走行中の車両間通行が可能だった、SLすずらん号や冬の湿原号に転用された。
  • ナハ29000形 - 貨車を改造したオープン客車。2016年まで使用。「バーベキューカー」として使用された。

商標

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ノロッコ号」は、北海道旅客鉄道が商標として登録している。

登録項目等 内容等
商標 ノロッコ号
称呼 ノロッコゴー,ノロッコ
出願番号 商願平09-127244
出願日 1997年(平成9年)6月12日
登録番号 第4234154号
登録日 1999年(平成11年)1月29日
権利者 北海道旅客鉄道株式会社
役務等区分 39類(旅客車による輸送)

脚注

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  1. ^ “冬の北海道を走る「流氷ノロッコ号」廃止 ディーゼル車の老朽化で”. ITmedia News (2016年1月). 2025年1月12日閲覧。
  2. ^ “流氷ノロッコ号2012年運転案内”. 北海道旅客鉄道釧路支社 (2011年12月). 2012年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月12日閲覧。
  3. ^ JR北海道プレスリリース(2024年12月18日)
  4. ^ JR北海道プレスリリース(2025年3月19日)
  5. ^ 知床斜里駅の1998年以前の名称。
  6. ^ a b “天塩川の秋を宗谷線初のノロッコ号で楽しみませんか”. 名寄新聞. (1998年9月22日) 
  7. ^ a b “宗谷北線運輸営業所 沿線の景色を堪能 ノロッコ号が運行開始”. 名寄新聞. (1999年10月2日) 
  8. ^ a b “天塩川の秋ゆっくり 宗谷線にノロッコ号運行”. 名寄新聞. (2000年9月17日) 
  9. ^ a b “天塩川紅葉ノロッコ号運行開始”. 名寄新聞. (2001年9月29日) 
  10. ^ “ARC列車編成資料館 天塩川紅葉ノロッコ”. 2025年10月17日閲覧。
  11. ^ “ARC列車編成資料館 天塩川ノロッコ”. 2025年10月17日閲覧。
  12. ^ “ARC列車編成資料館 塩狩峠さくらノロッコ号”. 2025年10月21日閲覧。
  13. ^ “鉄道ファン 鉄道ニュース 塩狩峠さくらノロッコ号運転” (2012年5月27日). 2025年10月21日閲覧。
  14. ^ “商標「ノロッコ号」の詳細情報”. Toreru商標検索. 株式会社Toreru. 2022年8月2日閲覧。

関連項目

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  • 観光列車
  • トロッコ列車

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