ツルニンジン
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv. (1879) | ||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| ツルニンジン(蔓人参) |
ツルニンジン(蔓人参、学名: Codonopsis lanceolata)は、キキョウ科のつる性多年草。地下に太い塊根があり、食用や薬用にされる。
名称
]和名「ツルニンジン」は、根は同科のキキョウやツリガネニンジンと同様に太く、ウコギ科のオタネニンジン(高麗人参)に似るということから、名がつけられた。別名、キキョウカラクサ。ジイソブ(爺のそばかすの意)ともいい、これは類似種であるバアソブ(婆のそばかすの意で、花冠にある斑点による)に似てより大きいことによる。ツルニンジンの中国名は羊乳(ようにゅう)といい、羊奶參の別名もある。
分布・生育地
]東アジア一帯の森林に生育する。日本では北海道、本州、四国、九州の平地から高山に分布する。丘陵地や山地の林内や、林縁のやや湿り気のある場所にまばらに群生する。
形態・性質
]つる性の多年生草本。塊根は太く、オタネニンジン(人参)状である。
春に茎を出し、他物に巻きつきながら伸びる。茎や根を切ると白い粘性のある乳液が出て、異臭を放つ。葉は長楕円形から狭卵形で、側枝に4枚集まってつく。
花期は晩夏から秋にかけて。側枝の先に淡緑色の花を1個つけ、下向きに開く。萼片は大きく、花冠は釣鐘状で、外側は淡緑色、内側は紫褐の斑紋がある。子房下位で、果実は萼片のついた蒴果となる。
ツルニンジン属は55種ほどあり、中国を中心に東アジア一帯に分布する。日本には他にバアソブがある。
- ツルニンジンの花
利用
]地下茎を食用とし、4 - 11月ごろに掘り上げた塊根を適当な大きさに裂き、天ぷらや醤油だれでつけ焼きなどにする。塊根を茹でたものは、白和え、酢の物、酢味噌和えにする。資源保護のため、採取の際はつるのつけ根の部分を残して、土の中に浅く埋めておくとよい。韓国ではトドック(더덕)といい、代表的な山菜である。根をキムチや揚げ物、和え物にし、若芽も食べる。野生品は少ないので栽培もする。沙参とも呼ぶが、これは本来ツリガネニンジン属(シャジン)の呼び名である。
また、塊根は薬用にされ、山海螺(さんかいら)、四葉参(しようじん)と称する生薬になる。8 - 9月ごろに塊根を掘り採って、きざんで天日乾燥して調製される。高麗人参と同じような効能があるといわれ、薬用にもされる。漢方では、ツルニンジン属の他種を含めて党参(トウジン)と呼ぶ。
民間療法では、痰切りや倦怠疲労時に、1日量で塊根の乾燥品5グラムを400 ccの水で煎じて、3回に分けて服用する用法が知られる。また、容器の半量に分量でホワイトリカーに1か月漬け込んで薬用酒とし、体質を問わず1日量でお猪口1杯ほど飲まれる。
- トドック(蔓人参)
- ツルニンジンのクイ(焼き物)
注意
]ツルニンジンはスズメバチが良く集ることで知られている。観察したり、採取する場合は十分注意したほうが良い
脚注
]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv. ツルニンジン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 高橋秀男監修 2003, p. 148.
- ^ a b c d e f 貝津好孝 1995, p. 102.
- ^ “スズメバチ媒花ツルニンジンにおける花形質の多様性【A】【O】| 日本生態学会”. 2025年5月18日閲覧。
- ^ “【リガクル】自然界の植物の多様性と神秘に魅せられて| 東京大学大学院理学系研究科附属植物園”. 2025年5月18日閲覧。
- ^ “No.89 ツルニンジンの花のひみつ | NPO法人日本パークレンジャー協会”. 2025年5月18日閲覧。
参考文献
]- 貝津好孝『日本の薬草』小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、1995年7月20日、102頁。ISBN 4-09-208016-6。
- 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、148頁。ISBN 4-05-401881-5。
外部リンク
]ウィキメディア・コモンズには、ツルニンジンに関するメディアがあります。
- キキョウ科
- 山菜
- 朝鮮の野菜料理
- つる植物
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