ラッキーセブン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ラッキーセブン(英: lucky seven、lucky 7)は、九回もある比較的長丁場の野球で七回には新機軸が発生することもあったということから始まった概念で、日本では7や5などの奇数が七元徳など一般に尊ばれることから幸運の意味を持つようにもなったもの。英語圏を中心とする西洋での思想であるという説や旧約聖書の『創世記』においては、ユダヤ教とそれに続くキリスト教で神は7日間で世界を創ったとしており、7日ごとに安息日を取る「週」の概念は古代から存在したという説もあるが、定かではない。

起源

]

9イニング制で行われる野球において、終盤の7回はラッキーセブンと呼ばれ、試合の潮目として認識されることが一般的になっている。韓国の野球でも、この言葉が使われる(すぐ上のリンク先)。

1885年9月30日のシカゴ・ホワイトストッキングス(現在のシカゴ・カブス)の優勝がかかった試合での7回にホワイトストッキングスのある選手は平凡なフライを打ち上げたが、このフライが強風に吹かれてホームランになった。このホームランによってホワイトストッキングスは優勝を決め、勝利投手はこの出来事を「ラッキーセブンス」(幸運な第7回)と表現した。一説にはこれが「ラッキーセブン」 の有力な起源でもあるという。

特に攻撃側において「ラッキーセブン」という名称が用いられるのは、この回に得点が入り試合が動く可能性が高いと信じられているからである。7回をこのように重要な回として扱う科学的、統計的根拠があるわけではなく、むしろ得点の入りにくいイニングであるという統計もあるが、試合のターニングポイントとなるイニングであるという認識は根強い。理由としては7回は先発投手の球数が100球を越え、球威が序盤ほど残っていないことが多いことや、継投策を採るにしても投手交代のタイミングが難しく、抑え投手が登板する8・9回に比べて実力の落ちるリリーフ投手が登板することが多いことなどが挙げられる。7回は攻撃側にとって最大の、しかし最後のチャンスとなるイニングになりかねないのである。攻撃側に関しては打者が概ね3、4巡目を迎えて先発投手に慣れてきていること、下位打線に代打を惜しげもなく送れること、またそこから上位打線に繋げることから、得点の期待が高まるイニングである。

応援

]

日本のプロ野球においては、7回表・裏の攻撃前にそれぞれのチームの応援歌が球場のスピーカーで流され(かつては裏のホームチーム攻撃前のみだった)、ファンが大きく盛り上がる。なお、北海道日本ハムファイターズの主催試合では2009年から2014年まで、ホームチームのみ「ラッキーセブン」ではなく「ラッキーイニング」と称して6回裏の攻撃前に応援歌を流していた。これは、近代野球においては6回の得点が7回よりも多いことなどを理由とした試みであった。

アメリカのメジャーリーグベースボールにおいては、7回裏の前にSeventh-inning stretchと称して、「Take Me Out to the Ball Game(わたしを野球に連れてって)」が球場のスピーカーで流され、スタジアム全体で歌うことが恒例になっている。

脚注

]
  1. ^ 数字の「7」に関わる各種の話題-「7」は何で人気が高い特別な数字として考えられているのか?-(ニッセイ基礎研究所、2020年)
  2. ^ プロ野球の「通説」は錯覚? 名大教授ら846試合分析[リンク切れ]
  3. ^ 場内アナウンスでも6回裏の攻撃の際に、「6回の裏、ファイターズ、ラッキーイニングの攻撃は…」と流していた。なお、ビジターチームのラッキーセブンは通常どおり7回表攻撃前に行い、ファイターズの7回裏攻撃前には、2011年までは何のイベントも行わず、2012年以降は金色ジェット風船の打ち上げなど、6回裏に比べて規模を縮小したイベントを行った。2015・2016年は再び、ファイターズのラッキーセブンを7回裏攻撃前に行っていたが、2017年には8回裏攻撃前に行われた。
  4. ^ 敵より先に「幸運」つかめ 球界初「ラッキー6」[リンク切れ]

ウィキペディア, ウィキ, 本, 書籍, 図書館, 記事, 読む, ダウンロード, 無料, 無料ダウンロード, 携帯電話, スマートフォン, Android, iOS, Apple, PC, ウェブ, コンピュータ, ラッキーセブン に関する情報, ラッキーセブン とは何ですか? ラッキーセブン とはどういう意味ですか?

0 返信

返信を残す

ディスカッションに参加しますか?
自由に投稿してください!

返信を書く

必須項目は*で表示されています *